TAVERN ON S, Shinjuku

東京を中心に大型レストランを十数店舗運営するHUGE新川義弘さんとの初プロジェクトです。新宿新南口再開発計画のもと、十分なスケジュールの中で密にコミュニケーションをとりながら進めることができました。「ダズル」「リゴレット」等に代表されるバーの存在感が特徴的な既存店の空間構成を参考にしながら、最初に思い描いたイメージは人々がひしめくように飲食を楽しむ様子です。それは、新川さんとの会話の中で出た「混沌」という言葉から辿った多種多様な人たちが集っている姿でした。
バーダイニング中央に大きなカウンターを設置し周囲の通路を狭くすることで人々が複雑に入り乱れることを狙いました。その賑わいをかき分け、ワインセラーを組み込んだ什器を潜った先には、天井高を生かしたメインダイニングが拡がり、ロフトのような書庫と明るいオープンキッチンが特徴です。そしてバーを挟んだ反対、サザンテラス側は床を上げることで外との距離感を近くし、テラスのような解放的な雰囲気をつくり、そこから仕切られた個室にもつなげました。
誰の目にも飛び込むアートは新川さんが最も気に入ったロンドン在住ストリートアーティスト、フィンダックに依頼。店を象徴することになった壁面を一任したことは、融合なのか相容れないのか、まだ自分の中で消化しきれていませんが、混沌とした街イメージとぴったり重なって、今の新宿をうまく表現できたと思います。

インテリアデザイン
所  在  地： 東京・新宿
竣  工  年： 2016年
床  面  積： 301㎡
住  　  所： 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-55 NEWoMan SHINJUKU 2F